神待ちのというのは、比較的新しい言葉です。主にネットの2ちゃんねるなどで、並外れたことを「神」と呼ぶようになったのが大元の期限であると考えられています。
では、神待ちが使われ始めた時期を特定し、スマホなどのネット文化の歴史と、神待ちの社会的背景である2009年問題についても詳しく迫っていきます。また、家出少女の実態、神待ち少女たちと彼女たちにとっての泊め男の存在についても説明していきます。
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神待ちが使われ始めた時期を特定する
神待ちの歴史については諸説あります。では、いったい何年から使われ始めたのか、情報を整理して特定していきます。
2009年という説が有力
ネットの「隠語・誘導語データベース」というサイトによると、2009年8月10日に「神待ち」という言葉が登録されています。
ネットの掲示板に「家出中で泊まるところがなくて困っています。」という書き込みをしたのが、「神待ち」の始まりだと考えられています。
スマホの普及率
初代iPhoneが発売された2007年頃より、スマートフォンの普及率は爆発的に増えていきます。毎年のように普及率は伸び、2015年には70%を超すまでになりました。
スマホの普及により、ネット上のアクセスが非常に容易になったため、掲示板やSNSなども爆発的な勢いで使われだしていくことになります。
神待ちサイトの普及
元々は、出会い系掲示板に書き込まれていた神待ちですが、徐々に神待ちの専用サイトが開設されるようになっていきます。メディアでクローズアップされたのも2009年頃からですので、ちょうどこの頃から神待ちサイトが普及していったと考えられます。
2009年問題とは?
神待ちが使われ始めた2009年とはどのような年であったのか、神待ちには社会的背景がないのかを調べるべく、2009年問題について詳しくご説明します。
2004年の労働者派遣法の改正
小泉内閣によって推し進められた、経済財政諮問会議・規制改革会議等により、2004年に労働者派遣法が改正され、これまで認められてこなかった製造業への労働者の派遣が認められるようになりました。
その後も、偽装請負の問題が大きく報じられ、製造業界側は請負から派遣へと労働力をシフトしていくことになります。
最長3年間という壁
派遣期間については、2007年の労働者派遣法改正により、原則1年、最長3年間へと規定されました。
したがって、2006年から広まった製造業界側の派遣労働者は、直接雇用に切り替わらない限り、2009年に派遣の期間満了を迎えるという爆弾を抱えていたのです。
リーマンショックによる最悪の結末
2008年に生じたリーマンショックの影響も大きく、企業側が強引に派遣労働者の派遣切りを行いました。派遣労働者の大量解雇という結末を迎え、正確な数は不明ですが何十万人という派遣労働者の失業者数を生むことになります。
ちょうどこのころから、テレビではネットカフェ難民やマック難民というのはクローズアップされる頃になります。
泊め男と家出少女の関係性
まずは、家出少女の実態について説明していきます。その後で、神待ち少女たちの必要としているものと、それを提供する泊め男の存在についてまとめていきます。
家出少女の実態
国の統計によると、2006年から2015年までの10年間で、年間約8000人の少女が家出をして保護されています。2015年の数字としては7670人となり、男女の性別を問わず、圧倒的に中高生が大半を占めます。
もちろんデータに載ってこない家出もあるので、実際には家出をしている未成年者の数はさらに大きくなります。
神待ち少女たち
神待ち少女たちのほとんどは、中学生や高校生ですが、中には小学生というケースもあります。18歳を過ぎていれば話は別ですが、神待ち少女たちは働けない年齢であることがほとんどです。
家出人のため貯蓄もありません。食べる物は数百円でも手に入れられますが、泊まるところとなれば少なくとも一泊何千円も必要になります。
とにもかくにも必要なのが、雨露をしのぐ宿泊先であり、神待ち少女たちは、ネットを利用して、その宿泊先を提供してくれる人物を探すことになるのです。
泊め男の存在とは
待っている神に女神がいてもよさそうなものですが、実際には男の神しかいません。そう、泊め男です。理由は単純明快で、泊める代わりに体の関係を得られるからです。
公園で寒い中野宿することに比べれば、一時のカラダの関係を受け入れることで、宿泊先を得られ、神とまで表現されることになるのです。